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構築済のWordPressをGoogle App Engineに移行する(費用編)

rakumoコンサルティング部の小山(@koyhoge)です。

既存のWordPressGCPに移行する解説記事を投稿したところ、費用面での質問をいくつかはてブでいただいたので、今回の構成での費用面を解説した番外編をお送りします。

今回の例では月額およそ4,000円

クラウドにアプリケーションをデプロイするということは、使った分だけ支払う従量課金に移行するということですから、例えばブログにアクスセスが死ぬほど殺到すると、もちろんその分金額は上がるわけです。とはいえ、そんなにアクセスのない状態での大体の金額を知りたいという疑問が浮かぶのも理解できます。ということでとりあえず始めてみるにはこのくらいという概算を紹介してみましょう。

今回の構成で、アクセス数によらずどうしても費用がかかるのは Cloud SQL です。東京リージョンで g1-small インスタンスを常時立ち上げた際の費用は、継続利用割引が適用されて $0.0455/時間 x 24 時間 x 30日として $32.76、現在の円ドル換算レートだとおよそ 3,700 円程度になります。

その他のサービスの分、Google Cloud Storage (GCS)Google App Engine (GAE) の部分は使い方によって値段が変わってくるので一概には言えませんが、通常のブログの使用やアクセス数ならおそらく全部で数百円程度でしょう。ということで今回の GAE + GCS + Cloud SQLの例だと、月額 4,000 円程度でそこそこ負荷に耐えられる WordPress 環境を構築できることが分かりました。

もちろん更なるアクセスに耐えられるようにしたければ、いくつかやりかたがあります。

  • DBアクセスがボトルネックならば Cloud SQLインスタンスタイプを上位モデルにする
  • ものすごくアクセスが来て GAE の料金が跳ね上がるようなら GCS や GAE で Cloud CDN を利用する

課金額にキャップを設定する

アクセスが来すぎて課金がものすごいことになるのを心配する声も聞かれます。GAE では一日の使用量の上限をドル建てで制限できる機能がありますので、サービスが止まってよいのであればクラウド破産は避けることができます。

月額 4,000 円というのは他社の VPS サービスに比べるとちょっと高めですが、負荷対策に悩む必要がない安心料と考えれば、さほど高くないのではないかと思います。