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GCPの構築ノウハウをそろりと公開 コンサル部によるテックブログ

GCP にカスタムドメインを登録する

rakumoコンサルティング部の小山(@koyhoge)です。

以前に掲載した「構築済のWordPressをGoogle App Engineに移行する(4)」で、GAE 上で動作する WordPress にカスタムドメインを設定する方法を解説しましたが、ドメインを登録する手順は記事中では省略していました。

今回は、その「カスタムドメインの登録」にフォーカスして解説したいと思います。

なぜドメイン確認が必要か

GCP や G Suite でカスタムドメインを使用するには、そのドメインが本当にそのアカウントが管理しているものかどうかを確認する必要があります。他人が自分のドメインを勝手に登録できてしまっては大変ですから、何らかの確認の仕組みは必須といえます。

GCP にも Cloud DNS というDNSマネージドサービスがありますので、これに使いたいドメインの管理を移管してしまえば、Google アカウントとドメインの紐付けは可能です。しかしドメイン管理は過去のしがらみから移管できないケースも多く想定され、ドメイン管理方法は従来のままで、その所有者を確認できる方法が求められました。

GCP、G Suite では、そのドメインの TXT レコードに確認コードを設定することで、所有者確認をする手法を取っています。ではそのやり方を順を追って見ていきましょう。

確認コードの取得

今回は GAE でカスタムドメイン使用したいので、GAE の管理メニューから「設定」を選びます。

App Engineメニュー

上部のナビゲーションから「カスタムドメイン」を選択し、その下の「カスタムドメインを追加」ボタンを押す。

GAEカスタムドメインの追加

「使用するドメインを選択する」に現在登録されているドメインのプルダウンメニューが表示されます。この例では前回登録した hoge.org が表示されています。

登録済みドメイン

今回は新しく koyhoge.org を登録したいと思いますので、プルダウンメニューを開いて「新しいドメインを確認…」を選択します。

新しいドメインを確認

するとすぐ下にテキスト入力が現れますので、追加したいドメイン koyhoge.org を入力して「確認」ボタンを押します。

ドメイン名の入力

するとブラウザの別ウィンドウ(タブ)で「ウェブマスターセントラル」が開きます。「ドメインレジストラまたはプロバイダを選択」をクリックすると多数のドメインサービス名が表示されます。

ウェブマスターセントラル

表示されるサービスは海外のドメインサービスが多いので、ご自身の使用しているものはないかもしれません。私の持っている  koyhoge.org は dotster.com で取得し、AWS Route 53 で管理をしているので「その他」を選びます。TXT レコードの登録の仕方は各ドメイン業者によって異なりますが、とりあえずは確認コードを取得できれば良いので、迷ったら「その他」を選択しておけば良いでしょう。

その他を選択

するとそのドメインの TXT レコードに登録する確認コードが表示されます。

ドメイン確認コード

ドメインのTXTレコードに追加

無事にドメイン確認コードが取得できましたので、今度はそれを DNS に登録していきます。

この作業は使用しているドメイン管理業者によって微妙に異なります。今回は koyhoge.org の管理をしている AWS Route 53 の例を出しますが、TXT レコードに先ほど取得した「ドメイン確認コード」を登録するという基本は変わりません。

まずは AWS のウェブコンソールにログインして、Route 53 の管理画面を開きます。koyhoge.org を選び、上部のメニューから「Create Record Set」ボタンを押します。

AWS Route 53

右部分の設定パネルで以下を行います。

TXTレコードの登録

Value 部分は

"google-site-verification=hZjnujnyfBJ2VOjwviu6Zamo8FcQD25UcvctMpYi1tg"

のようにダブルクォートで括ります。すでに SPF 用のレコード等が登録されている場合は、

"v=spf1 ip4:54.238.55.33 include:_spf.google.com ~all"
"google-site-verification=hZjnujnyfBJ2VOjwviu6Zamo8FcQD25UcvctMpYi1tg"

とダブルクォートで括ったものを、複数行で記述します。

最後に下部の「Save Record Set」ボタンを押して保存します。

確認完了

DNS の変更が反映されたら、先ほどのウェブマスターセントラル の画面に戻って「確認」ボタンを押します。Route 53 はほぼタイムラグなしに登録データが更新されますが、サービスによっては時間がかかるので注意して下さい。

DNSレコードの確認

無事に TXT レコードが登録されていれば、以下の画面が表示されてドメイン所有者の確認ができたことが分かります。

ドメイン所有者の確認

再び GCP の GAE 管理画面に戻って「続行」ボタンを押すと、ドメイン候補の中に登録した「koyhoge.org」が表示されています。

ドメイン追加完了

以上で、カスタムドメインを新たに登録する手順はおしまいです。GAE や Cloud CDN などカスタムドメインを使用できる場面では、登録されたドメインが候補として表示されるようになります。

参考